なんとなく気になったので、最年少人間国宝を調べてみた。

スポーツでも学問でも、最年少の記録には価値があります。他の人よりも少ないチャンスをものにしたことを、より高い実績をあげたと解釈することが可能だからです。重要無形文化財いわゆる人間国宝に選ばれるのにも、最年少記録があります。現在のところ、鍋島焼の十四代今泉今右衛門氏が作った51歳が最年少です。
今泉今右衛門氏は1962年に佐賀県有田町に生まれました。父は13代今泉今右衛門氏で、この人も人間国宝です。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科を卒業後、一般企業に入社します。しかし3年後に京都で陶芸家に弟子入りでし、それから2年後には有田で父のもとで陶芸修行に励みます。
1995年には作品展に出品するようになり、毎年のように賞を受賞します。出品先は美術展や工芸展が中心で、新聞社や地方自治体の賞を受けています。2007年には日本伝統工芸展の監査委員に推挙されました。工芸の枠を出た賞としては、2009年の紫綬褒章があります。

紫綬褒章とは

紫綬褒章は科学技術や学術、スポーツそして芸術文化の業績を褒める賞です。1955年に制定されたもので、例年春と秋の1年に2回授与されています。人間国宝に選定されてからは、工芸店の監査委員や陶芸協会の会長を務めています。
今右衛門は江戸時代から350年続く窯元で、色絵技術の高さで有名です。土産品として徳川将軍に贈られたこともあります。その伝統的な色鍋島はもちろんのこと、十三代の技術と自身の技術を組み合わせた作品も作っています。
十三代は吹墨や薄墨などの技法を確立しました。精密に濃淡をコントロールした美しさが特徴です。それに白抜きを入れた墨はじきを発展させたり、白金の輝きを出すプラチナ彩などを確立しました。
2人の技術がうまく重なったときにいい作品が生まれると、十三代は言っています。十四代は学生時代の感動を模様に表現するなど、一般人にも理解しやすい面があります。陶芸家としてこれからピークを迎え、多くの人を楽しませてくれると思われます。